植物時事ニュース

植物の乾燥耐性を支えるミオシンXI

作物のストレス耐性を強化する技術開発に新たな道筋

2025年6月23日
早稲田大学

植物の乾燥耐性を支えるミオシンXI 作物のストレス耐性を強化する技術開発に新たな道筋

詳細は早稲田大学HPをご覧ください。
【発表のポイント】
〇 植物細胞に存在するモータータンパク質ミオシンXI※1の多重変異体では、乾燥時の水分の喪失速度が野生型の4倍になることが分かりました。
〇 植物が干ばつストレスに対処するため、植物ホルモンを介した気孔の閉鎖に、ミオシンXIが関与していることを明らかにしました。植物の環境適応戦略の理解に、新たな視点が加わりました。
〇 「モータータンパク質-植物ホルモン伝達」という新たな概念が見出されたことで、ストレス応答の基礎研究や、干ばつ地帯における作物の水利用効率化技術の開発に貢献すると考えられます。

気候変動の深刻化に伴う干ばつ被害が拡大する中、農業の生産持続性の鍵の一つを握る「植物の干ばつ耐性メカニズム」の解明が急務になっています。

早稲田大学教育・総合科学学術院の富永基樹(とみながもとき)教授と博士後期課程2年の劉海洋(りょうかいよう)は、モータータンパク質ミオシンXIが干ばつストレスに関与するメカニズムをモデル植物シロイヌナズナ※2を用いて研究しました。その結果、ミオシンXI遺伝子を欠損させた多重変異体では、干ばつストレスに弱くなることを発見しました。さらに、干ばつ時に上昇し気孔の閉鎖を誘導する植物ホルモンであるアブシジン酸(ABA)※3で処理したところ,活性酸素の生成や微小管※4の脱重合が野生型と比較し阻害され、気孔が閉じにくくなるというメカニズムを初めて明らかにしました。

この発見は、ミオシンXIが干ばつ耐性に関与する初めての研究であり、今後、干ばつに強い作物の開発や、限られた水資源のもとで収量を維持する技術に貢献することが期待されます。

図 本研究による発見の概要

本研究成果は国際学術誌「Plant Cell Reports」に2025年6月19日(木)に掲載されました。
論文名:Myosin XI coordinates ABA-induced stomatal closure via microtubule stability and ROS synthesis in drought-stressed Arabidopsis

キーワード:
ミオシンXI、アブシジン酸、気孔の閉鎖、干ばつストレス、シグナル伝達

これまでの研究で分かっていたこと

図1 シロイヌナズナのミシオンXI
13種類のミオシンXIが存在し、植物のさまざまな生理プロセスに関与しています。

植物細胞内のモータータンパク質ミオシンXIは、原形質流動※5の駆動力として以前より研究されてきました。近年、シロイヌナズナには13種類のミオシンXIが存在し、これらが植物の栄養成長や生殖成長、重力応答、さらには生物的・非的ストレスへの応答など、多岐にわたる生理プロセスにおいて重要な役割を果たしていることが明らかとなってきました(図1)。

気孔は陸上植物の葉や茎の表面にある小さな開口部で一対の孔辺細胞※6により形成され、植物が二酸化炭素を取り込み、酸素や水を放出するための通路となっています。気孔は、植物が干ばつストレスに対処するための重要な役割を担っています。例えば、水分不足時には気孔を閉じて水分の損失を抑えることで被害を軽減します。このプロセスは複数のシグナルによって制御されていることが知られています。特に、孔辺細胞内での活性酸素種(ROS)※7の急速な生成や微小管の迅速な脱重合は、気孔閉鎖を引き起こす主な要因として働いています(図2)。

アブシジン酸(ABA)は干ばつストレス応答に重要な植物ホルモンで、気孔の動きから遺伝子発現に至る多層的な適応戦略を統合し、植物が水分不足環境下でも生存できるように働いています。節水型品種やストレス耐性品種の開発において、このメカニズムの解明が重要な課題となっています。


図2 孔辺細胞内でのROSの急速な生成や微小管の迅速な脱重合の様子
A. 気孔閉鎖の過程で、放射状の微小管が脱重合し平行へと再構成されます。B. 閉鎖された気孔では、ROSシグナルが瞬間的に増強されます。

新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと、そのために新しく開発した手法
干ばつは、気候変動によって拡大する自然災害のひとつとして、世界の農業や関連産業に深刻な被害をもたらしています。これまでにミオシンXIが干ばつに対するストレス応答に関与することが一部示唆されていましたが、具体的なメカニズムは不明のままでした。

本研究において、ミオシンXI遺伝子を欠損させた多重変異体ではABA応答が鈍化し、干ばつストレスに弱くなることが明らかになりました。また、乾燥条件下では、孔辺細胞における微小管再構成とROSが抑制され、その結果、気孔の迅速な閉鎖が阻害されることが明らかになりました(図3)。特に、乾燥条件下における変異体の水分喪失速度は、野生型の約4倍に達することが分かりました。

図3 A. 干ばつ処理による植物生育への影響。B. 干ばつ処理による気孔の開度の変化。
C. ABA処理による孔辺細胞内の微小管の変化。D. ABA処理による孔辺細胞内のROSの蓄積。

研究の波及効果や社会的影響
本研究では、ミオシンXIとABAシグナル伝達経路の関連性を初めて明らかにしました。今後さらに、干ばつストレスだけでなく、塩ストレスや低温ストレスといった他の的ストレスにおいても、ミオシンXIが同様の機能を有するかどうかを検証する新たな研究指針を提示しました。本発見は、植物の非生物的ストレス応答メカニズムへの理解を深め、干ばつや高塩などの環境下における持続可能な農業の発展に向けた基盤技術の開発に寄与すると期待されます。

用語解説
※1 ミオシン
細胞骨格であるアクチンフィラメント上を運動するモータータンパク質。動物、植物を含めて約80クラスが見つかっており、植物には植物特異的なミオシンVIII(クラス8)とミオシンXI(クラス11)の2クラスが存在します。原形質流動は、ミオシンXIの運動により発生していることが知られています。

※2 シロイヌナズナ
アブラナ科シロイヌナズナ属の一年草。学名はArabidopsis thaliana。育てるのに場所を取らない、発芽から種を付けるまでの期間が短い、ゲノムサイズが小さいなど、遺伝学的な研究を進める点での利点が多く、2000年に植物の中で最初に全ゲノム配列が解読され、モデル植物として広く使われています。

※3 アブシジン酸
植物ホルモンの一種で、乾燥などのストレス応答に重要な働きをします。特に、種子休眠の促進、発芽の抑制、気孔の閉鎖、乾燥ストレス耐性の獲得などに作用しています。

※4 微小管
”細胞骨格”の一種で、円筒形の繊維状タンパク質です。”チューブリン(tubulin)”というタンパク質が重合してできており、細胞の構造維持や物質輸送、細胞分裂などに重要な役割を果たしています。

※5 原形質流動
細胞の内部で、原形質(細胞質)が流れるように動く現象。植物では、細胞内に張り巡らされた細胞骨格の一種であるアクチン繊維上を、細胞小器官に結合した植物特異的なミオシンXIが運動することにより発生します。

※6 孔辺細胞
植物の葉や茎の表皮に存在する”気孔”という小さな開口部を形成する一対の特殊な表皮細胞で、形を変化させることで孔の大きさを調節します。

※7 ROS(Reactive Oxygen Species:活性酸素種)
酸素(O₂)を基にしてできた非常に反応性の高い化学種のことです。植物、動物、微生物などすべての生物の細胞内で代謝の副産物として発生します。

論文情報
雑誌名:Plant Cell Reports
論文名:Myosin XI coordinates ABA-induced stomatal closure via microtubule stability and ROS synthesis in drought-stressed Arabidopsis
執筆者名(所属機関名):Haiyang Liu1, Motoki Tominaga1 2*
1 Graduate School of Science and Engineering, Waseda University
2 Faculty of Education and Integrated Arts and Sciences, Waseda University

世界初 もみ殻からLEDを開発!~オレンジ色に発光するシリコン量子ドットLED~

・世界初、もみ殻から量子ドットLEDを製造。最先端デバイスにリサイクル
・もみ殻からナノシリコン(シリコン量子ドット)を合成
・オレンジ色に発光するシリコン量子ドットLEDを天然素材から作製


日本人が主食としているお米、そのもみ殻の20%はガラス(SiO2)です。そのもみ殻に含まれるガラスを使い、高い容量と高い耐久性を持つリチウムイオン電池の製造が、最近、欧米をはじめ複数の研究グループより報告されています。
しかし、もみ殻中のガラスをLEDに用いた研究は、これまで報告がありませんでした。
大学院生の寺田詩歩氏(理学研究科 博士課程前期修了)、植田朋乃可氏(先進理工系科学研究科 博士課程前期)、自然科学研究支援開発センター(研究開発部門)の齋藤健一教授らの研究グループは、もみ殻に含まれるガラスから、オレンジ色に発光するナノシリコン(シリコン量子ドット)を合成し(発光効率21%)、更にそれを用いたシリコン量子ドットLEDの開発に成功しました。
もみ殻を原料としたLED製造、ならびに植物やバイオ系の天然素材を活用したLED製造は、これまでなかったため、世界初の成果、世界初の概念となります。
近年、量子ドットディスプレイが市場に出回り始め、タブレットや大型テレビに使われています。量子ドットは次世代の発光体として大変注目されていますが、市販の量子ドットディスプレイは、重金属の量子ドットを搭載しているため、毒性がなく、重金属フリーの量子ドットが世界中で模索されています。シリコンは重金属ではありません。更に本研究では、もみ殻をリサイクルして、シリコン量子ドットとシリコン量子ドットLEDを開発しました。また、LEDの製造法は簡便で、シリコン量子ドット溶液、導電性の高分子溶液を基板に塗布する手法です。SDGsの複数の目標にも適合し、廃棄物の最先端デバイスへのリサイクル化、そして安全・安心・安価で高性能かつ折り曲げ可能なディスプレイ、また生医学イメージングへの発展が期待されます。


農業大国オランダで花咲く「温室のイノヴェイション」

極寒は苦手! 冬型多肉の管理

九州と同程度の国土面積しかもたないオランダ。しかし、金額ベースでは米国に次ぐ世界第2位の食料輸出国だ。国土の狭さをカヴァーしてきた同国の技術力は温室でも見てとれる。食のイノヴェイションの中心地「フードヴァレー」の挑戦を追う「FEEDING THE 11 BILLION」、第3回のテーマは「温室」だ。(雑誌『WIRED』日本版VOL.35より転載)

作物の確認に来たヴァーヘニンゲン大学の研究者。ここでは、LED照明の下でキュウリが栽培されている。PHOTOGRAPH BY SAM CHICK

シリーズ:FEEDING THE 11 BILLION

世界人口は、今世紀末に110億人に達するという。飢餓に喘ぐ人々がいる現状に、増え続ける人口と気候変動が追い打ちをかければ、行き着く先は世界的な食糧危機である。そんな未来を変えるべく研究を続けているのが、オランダのヴァーヘニンゲン大学(WUR)を中心に広がる「フードヴァレー」だ。その挑戦を、4回にわたって追う。

植物のための「光のレシピ」

ヴァーヘニンゲン大学(WUR)の施設「ユニファーム」では、園芸学・栽培生理学教授レオ・マルセリスのチームが、さまざまな色のLEDが温室の作物に与える影響を研究している。

オランダで従来使われてきた高圧ナトリウムランプに比べ、LED照明はより効率的かつ持続可能なアプローチだ。マルセリスらは、そんなLEDで温室栽培のエネルギー消費量を半減させようと研究に取り組んでいる。

ナトリウムランプをLEDに替えるだけで、エネルギー消費量は25%削減できる。寿命もLEDのほうがはるかに長い。また、ナトリウムランプは熱も発するため、植物から充分距離をとって設置しなくてはいけないという制約があるが、ほとんど発熱しないLEDなら成長に最適な位置に照明を置ける。

「問題は、植物にとって最も理想的な色は何かです」と、マルセリスは言う。各植物や品種には、成長に最適な「光のレシピ」がある。例えば、赤色LEDはエネルギーを光合成に必要な光量子へ最も効率的に変換するが、赤色光だけで育てられた作物は異常な成長の仕方をみせることもある。これを防ぐため、植物の正常な発達を助ける青色LEDが加えられるのだ。ユニファームの作物のほとんどは、この赤と青のバランスが慎重に制御された光の下で栽培されている。

適切な設置場所と光のレシピで、温室栽培のエネルギーコストは半減できるとマルセリスらは考えている。WUR流のモットーにある通り「2分の1のリソースで2倍生産」だ。

WURが、イスラエルやスウェーデン、ベルギーの企業と共同で開発したパプリカ収穫ロボット「SWEEPER」。PHOTOGRAPH BY WUR

自動収穫では終わらない、ロボット農業の可能性

SWEEPER」は、WURが複数企業と開発したパプリカ収穫ロボットだ。アームのカメラで実を撮影し、色で成熟度を分類。位置関係を記録し、熟したものだけを収穫する。

SWEEPERの発展を支えるのは、植物の形質を計測するフェノタイピング(表現型解析技術)という地味な技術だ。「農家向け自動装置の多くは『脳』と『目』が物を言いますが、フェノタイピングもまた、いかにカメラやセンサーで植物に関する情報を収集できるかがすべてなのです」。そう話すのは、WURで「Agro Food Robotics」イニシアティヴのコーディネーターを務めるシニアサイエンティストのリック・ファン・デ・ゼッデである。

かつては面倒な手作業で行なわれていたフェノタイピングだが、ロボティクスがそれを変えた。特徴を機械的に定量評価することで、植物の繁茂や病気の要因、気候変動への耐性などを理解する手がかりが得られるのだ。

2018年、オランダ政府は、ヴァーへニンゲンにあるオランダ・プラント・フェノタイピング・センターという国家プロジェクトへの資金提供を発表した。目的はフェノタイピングのハイスループット化だ。「実現すれば、より健康にいい食材や耐病性が強い農作物の開発に挑戦できます」と、ファン・デ・ゼッデは言う。

オランダ第3の都市・ハーグから南東20kmにあるブレイスウェイク。この小さな町にあるWURの温室では、ヴァニラが育てられている。PHOTOGRAPH BY SAM CHICK

トマトの成功を、再び

作物の専門家フィリップ・ファン・ノートが、ヴァニラの房を指差す。その先にあるのは「ネザーヴァニラ」。オランダでも、ヴァニラが確かに栽培・収穫できることの証しだ。

ヴァニラは世界で最も人気のフレーヴァーで、サフランに次いで高価なスパイスとされる。しかし、世界のヴァニラの80%を生産するマダガスカルは、近年干ばつやサイクロン、危険な農業環境に脅かされており、ヴァニラの価格も高騰中だ。2018年初頭には、1kg当たりの価格が銀を超える600ドル(約6.5万円)となった。

この温室で栽培されている高価で珍しい植物はヴァニラだけではない。ファン・ノートは、パパイヤやアボカド、ワサビ、インディゴなど、さまざまな植物の栽培実験にかかわっている。目的は、トマトの成功の再現だ。第二次世界大戦後、オランダは南アメリカが原産のトマトの温室栽培に成功し、トマトはオランダの農業革新の代名詞となった。輸出額でみれば、いまやオランダはメキシコに次いで世界第二のトマト輸出国である。

現在ファン・ノートらが栽培している植物の多くは、普通温室で栽培されない種だ。そのため、彼らはLEDや水耕栽培、ミストなどを使って、いかに原産地の気温や光、雨を模倣し、植物を自然に育てるかを研究している。

さらにヴァニラの場合、送粉者は研究者だ。ヴァニラの開花は予測しづらく、開花後は花が萎む昼までに手作業で受粉させなくてはいけない。この温室ではヴァニラが365日監視され、研究者たちが毎日丁寧に花の手入れをしているのだ。

  • 2020.01.28
  • 12:42

LED照明で育てた野菜はおいしい? それともマズい?

葉と茎を摘み取った豆苗の株を再生栽培する家計節約テク...ガジェットと一見無関係のようでいて、実は関係大アリのトピックですね。直射日光ではなくLED照明や蛍光灯の光でも育つのかという疑問は、豆苗の再生栽培経験者ならば一度は持ったことがあるはずです。

結論からいうと、LEDや蛍光灯の光で育てても、おいしく食べられるレベルまですくすく成長します。種類によって光補償点(植物が光合成で有機物を貯め始めるポイント)に差があるため、すべての植物が適しているわけではありませんが、豆苗(さやえんどう)ならば、1000ルクス程度あれば成長します。リビングのように照明を明るめにした部屋であれば、十分でしょう。

LEDや蛍光灯の光で育てても、おいしく食べられるレベルまで成長します

ただし、一般的にLED照明は照射範囲が狭いため、ライトの真下に置くかライトの数を増やさなければ照射ムラが生じることがあります。利用するLED照明も、植物の育成には光合成を促す効果がある赤色の光と葉や茎を大きくする青色の光が必要とされるため、2種類の光をバランスよく配分した設計の「植物育成用LEDライト」が最適です。

近頃流行りの「水耕栽培キット」も、その多くが植物育成用LEDライトを搭載しています。LEDだから電気代はわずか、外気に晒さないので害虫は付きませんし、栄養価も太陽光での栽培と比べて遜色ないとされるため、ちょっとした野菜を育ててみては?

  • 2019.11.13
  • 12:17

味、葉の固さなど調整可 成長速度は8倍

「農の都」をうたう兵庫県篠山市にこのほど、業務用野菜を栽培する植物工場が稼働を始めた。人工光、二酸化炭素、肥料などの量と組み合わせによって、味、色、葉の固さや水分量、大きさ、栄養価まで調整できるほか、作業効率を考えて、レタスなら葉のはがしやすさを一定にすることもできる。さらに成長速度は露地栽培の約8倍という。

 植物工場の開発、施工を手掛ける森久エンジニアリング(神戸市)と、日本アジア投資(東京都)が共同出資して設立した合同会社「MJベジタブル1号」(東京都)が運営にあたり、野菜の生産業務を「森久」社が受託する。栽培、梱包、出荷までを行う。

 同地内の空き工場1棟の約半分(約820平方メートル)を活用。長さ14メートル、10段の「栽培ベッド」を12並べ、チェーン展開している外食産業をターゲットにフリルレタス、クレソン、赤水菜、結球レタスなどの業務用野菜を年間約200トン生産する予定。

 プロジェクト総額は金融機関からの融資を含め約7億円。年約2億円の売上を見込む。約20人を地元雇用する。

 「森久」社は、蛍光灯やLEDライトなどの人工光で植物を生産する植物工場を秋田から沖縄まで13カ所で施工。植物の生育に必要な人工光を効率よく当てる反射板の技術に特許を持つ。

 これまで消費量の多い結球レタスを植物工場で安定生産することは、生理障害の多さなどから難しいとされてきたが、合同会社(特別目的会社)の設立によって、技術力の発揮できる工場建設が実現した。

 「森久」社によると、例えば、高齢者が食べる料理に使うのであれば、食べやすいように葉を柔らかく、かつ食べ慣れた野菜の味がしっかりとあるものに―など、その野菜を使う料理の種類(和食、洋食など)、他の食材との相性、食べる世代といったニーズに応じて種や育て方を設計できるという。

 気象の急変などで農作物の供給が不安定になるケースが目立つ中、大量の業務用野菜を必要とする外食産業などにおいて農作物を安全に、安定した品質、量、価格で供給できる植物工場への注目が高まっているという。

トマト収穫倍増、糖度アップ…LEDライト開発

トマトの収穫量を倍増させ、糖度も向上させる特殊なLEDライトを、徳島文理大理工学部(香川県さぬき市)が開発した。企業と来夏をめどに製品化を目指している。

 月明かり程度の微弱な光を発し、肉眼で見えないほどの速度で点滅を繰り返す。ナノ物質工学科の梶山博司教授が開発を手掛けた。

 梶山教授によると、植物は昼間の光合成で生成した糖を消費し、生命活動を維持している。昼間は成長のために多くの糖を消費するが、代謝が落ちる夜間は余った糖を実などに送る「転流」が起こる。朝に収穫した野菜がおいしいのは、糖が実に転流した状態だからだという。

 この現象に着目した。特殊なLEDを組み込んだネットを苗木の近くにつるして夜間に照射。植物は光の点滅で昼夜が頻繁に繰り返されていると錯覚し、糖を各組織に送る働きを活性化させる。これが生育を早め、高糖度の果実をつくる。

 実験で、栽培開始85日後のトマトの苗木1本当たりの果実数が、LEDを照射しない苗木に比べ2倍、糖度は15%向上した。夜がないと、ストレスで植物の成長は阻害されるが、光量が微弱なため、ストレスを感じないという。

 梶山教授はこれまでにレタスの成長を促進するプラズマパネルの開発に成功している。「LEDは軽量で防水加工も施されており、プラズマパネルと違い、屋外で使用できる」とし、葉物やのりなどの藻類でも効果が期待できるという。

植物育成用のLED照明 日亜化学と蘭企業が共同開発・実証実験へ

日亜化学工業(徳島県阿南市)は、Qwestland International B.V.(オランダ・ウエストランド州)と共同で、植物育成用LEDとその応用製品の開発と普及を目的とした実証実験を開始したと発表した。
同社はこの実証実験において、グリーンハウス(温室)分野で最先端を走るオランダで蓄積された植物育成環境制御の知見を基礎に、同社の強みである「独自の蛍光体技術活用による特殊スペクトル」についてより一層の見識を深めていく。
また、同実証実験で得られた成果をもとに、世界が直面すると予想されている地球温暖化と食糧安定確保の問題の解決にも貢献していきたい考えを示している。

トマトの収穫量を2倍にできるLEDライトを開発



徳島文理大学理工学部(香川県さぬき市)ナノ物質工学科の梶山博司教授はこのたび、トマトの収穫量を2倍にできるLEDライトを開発した。このLEDライトは月明かり程度の微弱なパルス光を照射することができるもので、この光を夜間に照射すると、糖の転流量が増えて生育が促進される。今後は、LEDライトの技術仕様をパートナー企業に移管し、2019年6月から順次製品として出荷していく予定。

 このたび梶山教授が開発したLEDライトは軽量でフレキシブルなので、さまざまな栽培品種に効率よく光照射できる。消費電力は栽培面積100平方メートルあたり10W、1セットで1000平方メートルまで照射可能。

 このLEDによる照射を行った(図1)結果、栽培開始から50日目あたりから生育に差が出はじめ、苗木1本あたりの果実数は85日後に2倍になった(図2)。さらに、トマトの木の高さは1.5倍になり、糖度は15%向上した。

 開発したLEDライトは、レタスなどの葉物野菜やスジ青ノリなどの藻類でも、トマトと同様の効果がある。また、防水機能があるので屋内外で使用可能。稼働中のLED型植物工場には、電源回路を追加することで高速栽培モードを付加できる。

 今後は、LEDライトの技術仕様をパートナー企業に移管して、製品化する予定。2019年6月から順次「ハイスピードLEDライト」として出荷していく計画となっている。

(参考)
徳島文理大学がレタスの2倍速栽培法を確立 -- 夜間の光合成により生育を促進、2020年の社会実装を目指す

旧体育館を植物工場に



野菜工房、茨城にレタス新工場
野菜工房(埼玉県秩父市、周藤一之社長)は、茨城県那珂市に新工場を建設する。レタスなど葉物野菜を栽培する植物工場で、本社工場、福井南越前工場(福井県南越前町)に次ぐ3カ所目。工場は10月から来年春にかけ順次完成する予定で、生産能力は日産4000株。3工場合計ではこれまでの2倍近い同8600株となる。総投資額は約4億5000万円。

 主にリーフレタスやフリルレタスを生産し、水菜やサラダ菜も少量つくる。敷地面積は約5200平方メートル、建物の総面積が約2000平方メートル。まず旧体育館を改築し、日産1600株の工場とし、10月下旬に稼働。12月に出荷を始める。その隣に事務棟や機械設備棟を備えた日産2400株の工場を新設する。こちらは来春の完成、出荷を目指す。完成後は年商を現在の約1億6000万円から3億円強まで引き上げられるとしている。

 2年半前に既存2工場の能力がいっぱいとなり、今後も需要の伸びが見込めることから、東京に近く、補助金制度の整った那珂市への新規立地を決めた。敷地に余裕があるため、さらなる工場増設も視野に入れている。

 3工場目にして初めて光源に発光ダイオード(LED)を採用し、電力代を削減。野菜を栽培する棚も現在の4段から、一部で6段の多段式を採用し、生産効率を高める。従業員数は当面、20人程度の予定。

 同社の植物工場は完全閉鎖型で、無農薬を実現。さらに水を噴霧した状態で根に供給する噴霧水耕栽培のため、「水がたまらないので細菌の繁殖が極めて少なく、虫も発生しない」(周藤社長)のが強み。野菜は水洗いをせず、そのまま食べられるため、調理パンの具材や外食用に売り上げを伸ばしている。

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