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植物時事ニュース

サンパワー、太陽光発電を利用したLED植物工場の分譲販売を開始

サンパワー、太陽光発電を利用したLED植物工場の分譲販売を開始



~京都と茨城にLED植物工場、太陽光発電を利用~

太陽光発電と植物工場を手がける株式会社サンパワーは、太陽光発電を利用した2箇所のLED植物工場について、 4月1日から分譲販売を開始した。

このほど分譲販売されるのは、京都府木津川市と茨城県石岡市のLED植物工場。太陽光発電の売電(1kW36円)により、LED電力と設置場所のランニングコストの大幅な軽減を実現した。

~植物の生育に必要な環境条件をコンピュータで制御~

同工場内ではフリルレタスやクレソンなどの野菜をLED光源でミスト栽培する。分譲内容には、共用部を含む太陽光パネル500平方メートル、植物工場1区画(15メートルの棚 6列×3段)、遠方からインターネットでも確認できる植物工場の管理、収穫した野菜の運送、野菜の販売ルートが付いている。

温度・湿度・光・二酸化炭素・養分など、植物の生育に必要な環境条件をコンピュータ制御することによって、天候に左右されず1年を通じて栽培できる。

1区画の価格は1億円で、20年間の売電利益3,500万円を差し引くと、実質負担は 6,500万円となる。農家や飲食店だけでなく、家庭の野菜代を軽減し、収穫した野菜を販売して利益を得られるとして、ファミリーも対象としている。16区画を募集。

同社は、4月5日~7日にインテックス大阪で開催される西日本最大の農業展「第1回関西次世代農業EXPO」にも出展し、「LED植物工場+太陽光発電+ミスト栽培」をアピールする予定だ。

(画像はサンパワーHPより)

学生のミスで大発見! 赤字にあえぐ植物工場を救う“幸運の光”

 現在、「植物工場」は第3次ブームを迎えていると言われている。しかし、その約7割が赤字経営もしくはトントンで、撤退や倒産する企業が相次いでいる。このような中、植物工場における新たな栽培方法で勝負に挑んでいるのが昭和電工だ。同社にその特徴と開発の経緯を聞いた。

成長速度は大幅アップ! でも電気代は半分

 赤色や青色のLED(発光ダイオード)照明の下で元気に育つレタスたち――。

昭和電工と山口大学が開発した植物工場(提供:昭和電工)

 これは昭和電工と山口大学農学部の執行正義教授が共同開発した高速栽培法「SHIGYO(シギョウ)法」が用いられた植物工場の様子だ。

 「照射する光を制御することでコストダウンと高付加価値化を実現し、より多くの植物工場のオーナーに黒字経営を成功させてほしいと願っています」と、植物工場向けLEDシステム事業を手掛ける昭和電工・事業開発センターグリーンイノベーションプロジェクト(GIP)の営業グループマネージャー、荒博則氏は語る。

 植物工場の利点については、無農薬栽培が可能なため、野菜を水でほとんど洗う必要がない、形や重さなど品質や規格を一定にできる、栄養成分をコントロールできる、天候によって生産が左右されないなどが挙げられる。

 2009年に農林水産省と経済産業省が共同で、「農商工連携植物工場ワーキンググループ」を立ち上げたのをきっかけに、植物工場の第3次ブームが起こった。巨額の補正予算が下りたこともあり、多くの企業が植物工場事業に参入した。

 しかし残念ながら、現在その約7割が赤字経営もしくはトントンで、撤退や倒産する企業が相次いでいる。最大の理由は、野菜の単価が安い割に、工場設置のための導入コストと維持・管理コストが高いことだ。要するに採算がとれないのである。

 このような中、植物工場における“新たな栽培方法”で勝負に挑んでいるのが、昭和電工だ。新たな栽培方法とは「SHIGYO法」と呼ばれ、山口大学農学部の執行正義教授の名字を取って命名された。

 そもそも植物の光合成には光の3原色である赤色、緑色、青色のうち、赤色と青色の光が使われていることがわかっている。それに対しSHIGYO法では、野菜に赤色の光のみを12時間、次に青色の光のみを12時間、交互に照射する。それにより、野菜は従来の植物工場で使われていた蛍光灯に比べて成長速度が大幅に向上するという。

 「例えば、フリルレタスの場合、従来の蛍光灯による栽培では収穫までに42日間かかるのに対し、SHIGYO法であれば32日間で収穫できます。また同じ日数で大きさを比較した場合、約2倍になります。しかもLED照明なので、電気代は単位時間当たり約2分の1で済みます」と荒氏。

 野菜の種類によって成長速度に差はあるものの、総じてSHIGYO法の方が速いという。こうした成果によりSHIGYO法は革新的な栽培方法として認められ、2015年7月に周辺特許を含め15件の特許を取得した。


学生の実験ミスが大きな発見につながった

 近年の研究によれば、植物は赤色の光によって養分を蓄え、青色の光によって組織を形成することがわかってきている。蛍光灯の光には赤色と青色の両方の波長の光が含まれるが、動物同様、植物にとっても睡眠は非常に重要で、野菜に蛍光灯の光を24時間当て続ければよいというものではない。それだと成長速度はかえって下がってしまうのだ。そのため、定期的に工場内を暗くして、野菜に“睡眠”をとらせる必要がある。

 一方、SHIGYO法では、24時間、赤と青のいずれかの光を当て続ける。それにもかかわらず、逆に成長速度が上がるというのはこれまでの常識を覆すもので、執行教授によるこの発見は、多くの植物の専門家に驚きを与えた。

 実は発見の背景には、執行教授の研究室の学生による実験ミスがあった。本来であれば、レタスに赤色の光と青色の光を同時に12時間当て、その後、12時間は暗くして、成長速度を確認する予定だった。だが、学生がタイマーの設定を間違えて、赤色の光と青色の光を交互に当ててしまったのだ。

 「現在のところ、SHIGYO法で成長速度が上がる理由についてはわかっていません。また、レタスやホウレンソウ、小松菜など野菜の種類によって、最も成長速度が上がる光の照射のサイクルや、赤色と青色の光の比率も異なります。そのため、執行教授の研究室では現在、メカニズムの解明に向け研究を進めているところです。メカニズムが解明されれば、SHIGYO法のさらなる向上につながると期待しています」と荒氏。


SHIGYO法では、赤色LEDと青色LEDを12時間ごとに交互の照射


なぜ従来の植物工場は蛍光灯を使うのか

 実はSHIGYO法の前に、特筆すべき昭和電工の功績があった。それは同社が2009年に開発に成功した、660ナノメートルに波長のピークを持つ赤色LEDの存在だ。

 LED照明の特徴は、太陽光や蛍光灯の光とは異なり、特定の波長の光のみを出せる点にある。光合成に最適な赤色の波長は660ナノメートル、青色の波長は450ナノメートルであることが知られており、SHIGYO法ではこの2つの波長を組み合わせて照射する。

 しかし、昭和電工が植物工場向けLEDシステム事業に着手した2008年当時、660ナノメートルの波長を持つ赤色LEDの開発は不可能だというのが、業界の定説だった。

 当時、昭和電工はLED事業の業績悪化にあえいでいた。同社は元々日本で最初にLEDチップを開発し実用化を果たした化学メーカーで、赤色、黄色、赤外光のLEDを中心に製造・販売を行っていた。

 ところが1993年当時、日亜化学工業に在籍しており、後にノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏が高輝度の青色LEDの製品化に成功した。それにより、LED市場の9割以上を青色LEDが占めることとなった。加えて、2008年のリーマンショックが追い打ちをかけ、昭和電工のLED事業は窮地に立たされたのである。

 そこで、赤色LED市場の新規開拓に乗り出し、昭和電工が目を付けたのが植物工場だった。

 「ところが、すぐに不思議なことに気付きました。LEDの電気代は蛍光灯の半額で済むにもかかわらず、既存の植物工場はいずれも蛍光灯を採用していたのです。調査した結果わかったことは、既存の赤色LEDでは蛍光灯に比べて成長速度が遅いため、採算がとれないということでした」と荒氏。

LEDチップだけでなく、植物工場向けに照明器具まで開発

 光合成に最適な赤色の波長は660ナノメートル。ところが、既存の赤色LEDの波長は640ナノメートルが最長だった。唯一、バーコードリーダーの光源として660ナノメートルの赤色LEDが使われていたものの、これで植物を育てるには輝度が低すぎた。

 それに対し、昭和電工はたとえ不可能と言われようとも、高輝度かつ660ナノメートルの波長を持つ赤色LEDチップを開発するしかないという決断を下した。

 「日本初のLEDチップメーカーとしてのプライドをかけて、開発に取り組む決意をしたのです」と荒氏は語る。

 そして努力の末、2009年、昭和電工は開発に成功。同年4月、この結果を発表した同社の元には問い合わせが相次ぎ、その数は300社を超えた。

 「それだけ世の中が強く待ち望んでいた製品だったのだということを痛感しました」(荒氏)

 とはいえ、LEDチップを単体で供給するのではビジネスとして面白みがない。そこで、国内の照明メーカーに頼み込み、植物工場向けに赤色LEDと青色LEDを組み合わせた照明器具を開発してもらった。赤色と青色の比率は、当初光合成に最適と言われていた3対1にした。

 さらに、開発した植物工場向けLED照明の効果を確認するため、日本国内のあらゆる大学の農学部を回り、LED照明を配布。栽培実験を実施してもらった。その結果、野菜の種類によって成長速度に大きな差が出ることがわかった。

 そこで、荒氏は今度は赤色と青色の比率を自由に変更できるLED照明を新たに開発してもらい、再び大学の農学部に配って回った。その中で、執行教授の研究室での思わぬ大発見があり、それがSHIGYO法につながったというわけだ。

植物工場向けLEDシステム事業を手掛ける昭和電工の荒博則氏


味や栄養成分もコントロール

 最近ではSHIGYO法により、成長速度だけでなく味や栄養成分のコントロールもある程度可能なことがわかってきた。現在、昭和電工では植物工場での野菜栽培技術のさらなる向上を図ると同時に、単にLED照明を売るのではなく、SHIGYO法に基づく植物工場の事業化の検討から稼働までを全面的にサポートしている。

 これまでに同社が手掛けた植物工場は全国で35カ所で、いずれも評判は上々とのこと。

 「たとえば、最近、設置した岐阜県の植物工場では、露地物に比べて苦味が少ないレタスということで、高値で近隣のレストランなどに納品されているようです。大きな手応えを感じています」と荒氏。

 現在のところ、光の照射の仕方によって生産性と品質をコントロールできるのはSHIGYO法のみだ。昭和電工ではこの独自性を武器に、植物工場向けLEDシステム事業を拡大し、同時に執行教授とともにSHIGYO法のさらなる性能向上に取り組むことで、植物工場の黒字経営を支援していく計画だ。



昭和電工では植物工場の計画段階から工場建設、稼働、稼働後のサポートまでを行っている。写真は、昭和電工が手掛けた福島県川内村の川内高原農産物栽培工場の外観と内部の様子



植物工場の野菜、下からLEDの光を当てると老化抑制+光合成促進効果

植物工場の野菜、下からLEDの光を当てると老化抑制+光合成促進効果

千葉大学は、植物工場の推進や発展に繋がる新たな植物栽培システムとして、上方照射を用いて葉の老化を抑制する栽培技術を開発したことを12月7日付けで発表した。

今回開発された新システムは、植物体への上から下に向けてのLED照射をする「下方照射」のみならず植物体への下から上に向けてのLED照射する「上方照射」を加えるというもの。

これまでは光が当たらず「老化葉」が発生

室内栽培で天候に左右されない葉菜類の安定供給を期待されていた植物工場だが、産業化に至るまでの課題の1つに「老化葉」が挙げられていた。植物工場は高密度に植物を栽培するため、葉が複雑に幾重にも重なり、外側の葉まで光が届かず、外側の葉の老化が進行してしまうのが常だった。

これまでも出荷前に老化葉を取り除く作業に膨大な時間と労力がかかっており、植物工場においては、作物の高効率生産・高付加価値を実現する栽培法を確立することが重要な課題であった。

トリミング作業を減らし、収量もアップ

そこで、同研究では外側の葉にもLED照射を当てられるよう「上方照射」を設置したところ、外側の葉の老化を抑制する効果が見られた。最終的には廃棄率の低減と収穫量の増大につながった。

また、下方照射では光が外葉に届かないため、外葉の炭素収支が「マイナス」であっが、上方照射することによって外葉にも光が届くため、純光合成速度が「プラス」になった。上方照射法は外葉の老化を抑制するのみならず、外葉の純光合成速度を速め、外葉の成長をうながすことが実証された。この技術の導入により、出荷する際のトリミング作業(老化葉を取り除く作業)を削減することができ、時間と労力の節約になる。

新規栽培システムの開発

新規栽培システムの開発

同研究行った同大学環境健康フィールド科学センターの矢守航助教らは、今後も環境負荷を最小限に抑える技術開発を進めていきたいとコメントした。なお、同研究の成果は国際誌であるFrontiers in Plant Scienceに掲載された。

2015年12月15日

人工知能で野菜を栽培する時代へ、クラウドでLEDを自動制御する植物工場が稼働

スタンシステムと日本IBMは、自動制御式LED植物工場が2015年3月31日に稼働したことを発表した。

植物工場とは、施設内でLED照明や空調、二酸化炭素、水分や肥料などを人工的に制御し、季節や外部環境に影響されずに農作物を生産できるシステム のこと。太陽光を利用するものと完全に閉鎖した空間で行うものがあるが、完全閉鎖型植物工場は、自然環境に左右されない安定した環境を作り出すため、1年 中安定した生産が可能な他、農地以外でも設置可能な点や、無農薬生産が可能である点などの利点がある。今回スタンシステムが稼働させた植物工場は完全閉鎖 型でさらにLEDによる光を自動制御するものだ(図1)。

photo 図1:スタンシステムが今回稼働させた自動制御式LED植物工場 ※出典:日本IBM

 自動制御式LED植物工場は、発芽、光合成の促進、葉の形成、開花調節といった作物の生育状況に適したLED光(周波数・光力)を照射させること により、作物に最適な栽培環境を維持して植物を育てることができる。発育に応じたきめ細かなLED光質環境を構築することが必要であり、そのための優れた 栽培レシピの作成や、自動化によるコスト削減が課題となっていた。

 スタンシステムの自動制御式LED植物工場は、温度センサー、湿度センサー、CO2センサー、水分センサー、pHセンサー、ECセンサー、LED 光装置、Webカメラを配置し、作物生育画像や温度、湿度、二酸化炭素といった作物栽培環境データを自動収集して生育状況を把握する。

 各機器から集まるセンサー・データや画像データを自動収集して分析し、栽培作物毎の栽培レシピに基づいて、多数のLED管(赤・青・緑)をオンと オフで自動制御して光力調整も行い、作物に最適な栽培環境を維持して植物を育てる。また、LED植物工場内の栽培環境はセンサーやカメラで常時監視してい る。

 この植物工場を実現するには高度なITシステムが必要となる。具体的には、照明自動制御システム、自動栽培用レシピ管理システム、栽培履歴情報収 集分析システム、画像処理システムなどが必要となる。スタンシステムではこれらをIBMのクラウドサービス「SoftLayer」を活用して東京のデータ センターで構築。米国のサンノゼのデータセンターをバックアップとしたシステムで運営を行っている(図2)。

photo 図2:スタンシステムのLED Smart Plant 設備の概要(クリックで拡大)※出典:スタンシステム

 スタンシステムでは今後、自社で蓄積したノウハウを踏まえ、LED植物工場用栽培環境最適化システム「スマートプラント」として、栽培情報ビック データ分析に基づいた栽培作物毎のレシピ開発も含めた総合サービスを提供していく予定。さらに、IBMの人工知能「Watson」を利用した植物工場環境 の最適制御システムの構築や導入も検討していくとしている。

ロンドンの地下に実在する最新LED技術を駆使した野菜農園

ロンドンの地下に実在する最新LED技術を駆使した野菜農園

都会で家畜の飼育や食物を栽培する『シティファーム』という言葉が最近話題になるが、イギリスのロンドンには、地下33mのトンネルに、野菜を栽培する農園があることをご存じだろうか?

Zero Carbon Food社が経営しているこの農園は、ロンドン市内のクラパムという街にある。1940年代初頭、第二次世界大戦時に地下防空壕として作られたもので、市 民を8,000人収容できるキャパシティを持つ広大なスペースだ。現在はもちろん使用されておらず、その空いた空間を利用して農園にしているのだ。

最新の農法を採用

全長430mある2本のトンネル内には、ラディッシュ(ハツカダイコン)やマスタードリーフといった、サラダによく使われる野菜などを栽培する棚がずらりと並ぶ。農園というより、『地下の巨大実験室』といった雰囲気だ。

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農園内は、野菜の生育に必要な光量を調整でき、かつエネルギー効率も高い最新のLED照明システムを採用。室温も、栽培に最適な16度~20度に保たれている。

野菜を育てるには、当然ながら水分や養分も必要だが、これらを効率的に循環させるシステムも採用することにより、水の使用量は従来の農法に比べ、かなり少なくて済むという。

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郊外に比べ、都会は当然ながら資源が少ない。その点を十分考慮した最新技術の投入により、生産量を確保。また、安定した環境で栽培できるため、通年で収穫が可能なことも大きなメリットだ。

オリジナルブランドとして販売

作られている野菜には、前述の他にもマイクロリーフやウォータークレス(クレソン)など計12種類がある。収穫後は『Growing Underground』というブランド名で販売され、レストランなどで使われているそうだ。

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「ロンドンの人口増加への対応と、市民により美味しくて安全な野菜を提供したい」……。

有名シェフのマイケル・ルー・ジュニア氏はじめ3人の創設者が手掛けているこのプロジェクトは、そんな目的で約3年前にスタートした。
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地下ではあるが生産地は都市。“生産地から消費者までの距離が近く輸送費が安く済む”、“生産地が近いから鮮度も良好”なども『街の地下農園』のいい点だろう。

都市の未使用空間をうまく利用した好例と言える試みだが、さて今後こういった動きは広まるのだろうか? 食の問題だけに要注目だ。

宮城県の人工光型植物工場で環境制御の最適化とLED照明利用の実証実験

みらいと日本GEは、宮城県多賀城市の「みやぎ復興パーク」内に新設する人工光型植物工場において、環境制御の最適化とLED照明を利用した実証実験を今夏より開始する。両社は、先端農業で東北の復興と新産業創出を支援したい考えだ。

具体的には、まず、IT技術を活用した人工光型植物工場内で、光源、温度、湿度、CO2濃度、ph値など環境制御の最適化を行う。みらいが長年積み重ねてきた栽培に関するノウハウをベースに独自開発したソフトウェアと、GE製のセンサや解析システムを中心に、植物工場内における最適な環境制御の実現を目指す。

そして、エネルギー効率・栽培効率など高効率化を図り、短期間内での投資回収などの経済性の確保に向けて、植物育成用LED照明の開発、及び最適な照明設計を行う。GEの照明事業部門が新たな植物育成用LED照明の開発を担うとともに、両社協働で波長の最適化、及び植物栽培の全工程におけるLED照明活用を踏まえた最適な照明設計に取り組む。

みらいは、植物工場専門会社のパイオニアとして、数多くの植物工場のハード及びソフトの技術開発を手がけている。今回の実証実験を通して、野菜の生産性や事業性を実証・評価し、東北地方の復興を支援する事業モデルの確立を目指す。また、地元農業関係者やスーパーと連携するとともに、宮城県多賀城市とも協調して、2013年中には大規模事業フェーズへの移行も予定。将来的には、IT技術を用いた双方向制御システムにより遠隔操作で植物栽培を行い、収穫時の歩留り率90%という高い生産性を実現する植物工場の事業モデルの確立を目指す。

日本GEは、環境・経済を両立させる「エコマジネーション」と、医療・ヘルスケアを対象にした「ヘルシーマジネーション」の2本の柱で、さまざまな問題解決を支援する企業。照明部門では、商業、産業、一般家庭向けの主要な家電製品、照明、システムなどを世界各国で展開している。欧州の大規模農業インフラ整備においてガスエンジンを用いたトリジェネレーション(電気、排熱、植物の光合成を促進させる二酸化炭素を供給するシステム)の実績もあり、今後、日本の先端農業分野で幅広いパートナーシップの構築や技術の活用を模索していきたい考えだ。

なお、今回の実験は、みらいが主体となり日本GEとの協働を通じて実施されるもので、経済産業省 東北経済産業局による東北地方の復興等を目的とした「IT融合による新産業創出のための研究開発事業」と宮城県の補助事業に採択されている。

昭和電工、山口大とLED植物育成工場における新たな栽培法を確立

昭和電工は、山口大学との共同研究によりLEDを用いた植物工場における新たな栽培法(Shigyo法)を確立したことを発表した。同栽培法は、昭和電工製のLED素子を用い植物育成に最適化した光照射を行うことで、出荷サイクルの短縮と収穫量の増大を可能としたもの。同社は、同栽培法に関するライセンスの供与を行い、安全安心な食糧供給方式として期待されるLED植物工場の普及を図りたい考えだ。

LED照明は、発光波長幅が他光源に比較し狭いことから、植物の光応答に適した波長を選択的に照射でき、結果として効率良く植物を栽培できると考えられており、同社は、波長660nmで世界最高の発光効率を実現した赤色LED素子を開発し、販売を行っている。

LEDを用いた光源は、蛍光灯と比較し消費電力を約3分の1に抑えられること、発熱の影響を受けずに高い光量が得られること、従来の葉菜類から果菜類・穀物まで栽培が可能となったことなどのメリットがあり、大学、各試験研究機関、一般の植物工場等で広く採用されてきた。しかし、初期投資額が蛍光灯と比べ大きく、商業施設への本格的な導入には、投資回収期間の短縮が課題となっていた。

今回開発されたShigyo法は、山口大学農学部の執行正義教授との共同研究によるもの。同栽培法による栽培実験の結果、同じ育成期間での葉菜類の収穫量が、通常の蛍光灯と赤青比を固定したLED照明と比較して、最大で3倍に増加。これにより消費電力の抑制、収穫量の増加という両面の効果が得られ、LED植物工場において今まで課題となっていた投資回収期間の短縮が実現可能となる。また、同栽培法は藻類培養にも有効であることが判明しており、藻類を用いた有用物質製造やバイオ燃料生産への応用も期待できる。

今後、昭和電工では、山口大学の協力を得て、商業施設や照明メーカーを対象としたShigyo法のライセンスの供与と、LED照明を中心とした昭和電工グループの栽培設備、周辺商材の販売を開始する。初年度は国内商業施設への普及を目指し、将来的には海外大型施設へのライセンス供与、燃料産業、バイオマスコンビナート事業への展開も視野に入れて事業を進めていく予定。

魚の排泄物を肥料にして野菜栽培もできるアクアリウム

NI帝人商事は、施設園芸・植物工場展2012において、セラピー型インテリアとしてデザインされたアクアポニックスを出展しました。

動画はここをクリック

アクアポニックスとは、魚を飼育する水槽と野菜を育てるプランターをパイプでつなげ、魚の排泄物を栄養分として植物に吸収させる閉鎖型の循環栽培のことで、これまでは、主にプラントなどで行われていました。

水と観賞魚と野菜を一緒に観賞できるコンパクトな一体型デザインは、アクアリウムプロデュースの株式会社 a.a.c.によるものです。

"魚の排泄物がバクテリアによって分解され、それが有機肥料となり、植物が育っていくというシステムです。アクアポニックスは、まだ日本国内では浸透していないので、ディスプレイとしてまず入って頂いて、コンセプトを理解されたらもっと広がるのではないかという思いで作りました。"

魚の排泄物を植物が消費するので、水槽の水換え回数を減らすことができます。さらに、栽培した野菜は食べる事もできるので、ディスプレイとしての演出効果以外にもメリットがあります。

"インテリアとしては、癒しというのが入り口かなと思っておりましたので、曲面を使うことで暖かなイメージと安全性を考えて、角を置かないようにしました。光もちゃんと届いて、植物も育つし、魚も綺麗に見えるように作りました。"

"今はレタスを使っていますが、普通にお花も栽培できます。有機野菜を使ったり癒しをテーマにしたカフェや老人ホームや病院を想定しています。お年寄りや外に出られない患者さんが屋内で野菜を植えることができるので、癒しとして良いのではと思います。"

このタイプは30万円で販売予定で、その後はオーダー品にも対応していく予定です。

昭和電工の植物育成用LEDを採用した完全閉鎖型植物工場が福島県川内村に完成

昭和電工の植物育成用LED素子および高速栽培技術「Shigyo法」を採用した福島県川内村の「川内高原農産物栽培工場」が4月26日に竣工した。
「川内高原農産物栽培工場」は完全閉鎖型の植物工場で、リーフレタスなどの葉菜類を一日に最大8,000株以上収穫できる生産能力を有する。

 完全閉鎖型の植物工場では、外気および病害虫等を遮断した栽培が可能で、消費者に安全を訴求することができる。
また、天候や気温に左右されず農産物を計画的かつ安定的に生産でき、農産物にとって常に最適な環境で育成できるため、露地野菜に比べて栄養価の高い作物の生産も可能。

 今回、川内高原農産物栽培工場に採用されたのは、植物育成に最適な660nmの波長を世界最高の輝度で発光できる昭和電工独自の赤色LED素子と、
昭和電工が山口大学と共同開発した高速栽培法「Shigyo法」を組み合わせた植物育成システム。同システムでは、従来の蛍光灯を使用した栽培方法に比べ、
同期間で2倍以上の収穫量を実現できる。また、昭和電工のLED素子は蛍光灯に比べ発熱量が少なく、空調等の電気代を抑えることもできる。
収穫量の増大とランニングコストの低下により、採算性の高いLED植物工場の運営が可能となる。

 昭和電工では、同LED素子および「Shigyo法」に、LEDの特長を最大限に活かすアルミ栽培棚・断熱パネル・炭酸ガスを組み合わせた植物育成システムの提案を進めている。
すでに複数の設備で採用が決定し、今後順次竣工される予定。

LED照明で育てた野菜のほうが、栄養豊富だって知ってた?

今年2月、玉川大学と西松建設が提携して植物工場を建設した。光源にLEDが使用されるこの工場では、太陽光よりも栄養豊富な野菜が作れるというから驚きだ。

LEDには特殊な力が秘められているのか?と思ったら、野菜の好みに合わせて光を調整できるのがポイントという。色や強さを変えるだけで、丈夫でおいしい野菜が育つのだ。

■ビタミン増量1,300%!

光は音と似た性質を持ち、そちらも「波」として考えると分かりやすい。音は波の間隔が高さを決めるのに対し、光は色が変わるのだ。

波の間隔は周波数と呼ばれ、音は1秒間に起きる波の数をHz(ヘルツ)であらわすのが一般的なのに対し、光では波長と呼ばれnm(ナノ・メートル)で表現される。
数値が小さいほど波の1サイクルが早く終わるので、Hzで表すなら数が大きくなる。

人間が識別できる色は、虹の7色で表現される赤・橙・黄・緑・青・藍・紫が目安で、赤から紫に進むほどに波長は小さくなる。日常にある光の波長は以下の通りだ。

 ・赤外線 … 780~1,000,000nm

 ・赤(光の三原色・R)  … 620~750 nm

 ・緑(光の三原色・G)  … 495~570 nm

 ・青(光の三原色・B)  … 450~495 nm

 ・紫 … 380~450nm

 ・紫外線 … 315~200 nm

音のように高低で例えるなら、緑は赤より高く、青より低い関係になる。光の3原色を混ぜると透明になり、ふだん太陽光に色を感じないのはそのためだ。
逆に朝焼け/夕焼けのように色が変わるのは、気象条件によって地表に届かない波長が生まれるからだ。

植物に必要な光は主に赤と青で、比率は10:1から5:1ぐらいが一般的だ。また太陽光には、美容の大敵・紫外線や、暖房や調理器に使われる赤外線も含まれているが、
多量に浴びせると植物もダメージを受ける。ただし、適度な日焼けは健康に良いのと同じ理屈で、少量の赤/紫外線を与えた方が野菜も丈夫に育つとの説もある。
赤/紫外線用のLEDもあるので、これを使えば制御も簡単だ。

LED照明のメリットは波長と明るさを調整できる点だ。野菜の好みに合った光を与えられるLEDを使うと、地域や天候に左右される太陽光に比べ、
リーフレタスのビタミンA、C、Eが、それぞれ14、3、6倍に増す驚きの結果が出た。

太陽光発電を中心に、世の中が自然の恵みを注目するなか、科学の光の方が栄養豊富な野菜ができるのは不思議な現象だ。

■寝る子は育つ?

パルス照射できるのもLEDのメリットだ。これは、LEDを高速でオン/オフさせてストロボのように光を放つ方法で、文部科学省のデータによると、
パルス照射だけで20~25%も大きく育つという結果が出ているのだ。

光を当て続けた方が大きく育つのでは?と思うのが当然だが、ひたすらエサを与え続けるよりも、ときどき休ませた方が消化が良くなり、結果的に多く食べられるのと同じと言えよう。
この休み時間をさらに増やし、オン:オフの比率を1:2にすると、最大33%も成長率がアップするというデータもある。つまり、休憩時間が成長を大きく左右するのだ。

お相撲さんは食後の休憩が重要と聞く。彼らは食べるのも休憩も仕事なのだ。大きくて丈夫なからだを維持する関取と同じ方法なら、休憩時間が植物を大きくするのも納得できる。

パルス照射は通電時間が減るので消費電力が少なく、生産原価は3割近く下がると試算されている。安くておいしい野菜がいつでも手に入る時代はそう遠くなさそうだ。

余談だが、家庭用のLED照明は蛍光体方式と呼ばれるタイプがほとんどで、正体は青色LEDだから、これを使っても植物の成長はあまり期待できない。
赤・青・緑の三色がそろったフルカラーLEDを用意するか、取りあえずなら蛍光灯でも効果はあるので、興味のある方はお試しいただきたい。

■まとめ

2年ほど前になるだろうか、自作のLED照明や水耕栽培を紹介したが、反響が得られずあえなく連載打ち切りとなった。

最近になって家電量販店で植物用LEDやおしゃれな栽培キットを見かけるようになり、ひとりほくそ笑んでいる。同時に、電子工作が特殊な趣味になったのを痛感し、少々寂しい気分だ。

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